タバコの害

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先日のBlog記事1)でも述べたように,動脈硬化はコレステロールが過剰だから起きるのではなく,血管内皮に傷をつけてしまうことが根本原因であることに気付く必要があります.血管内皮に傷をつける原因はたくさんあるのですが,その代表各が喫煙です.タバコに含まれる5000種類以上にものぼる有毒物質はいずれもことごとく血管を傷つけます.そして恐ろしいことに1日1本でも100本でも,その効果は同じということです.タバコは吸った直後はニコチンの血中濃度が速やかに上昇するため,脳神経の覚醒作用をもつニコチンの影響で頭がすっきりする感覚を覚えます.この作用の強烈なものが覚醒や麻薬であり,そういう意味ではタバコ(ニコチン)は覚せい剤の仲間であり,覚せい剤使用への入り口でもあるのです.ニコチンは禁止薬剤である覚せい剤や麻薬など様な身体依存性はないなどと言われますが,これは大きな間違いで,喫煙をやめられない最大の理由はニコチン中毒になっているがために,ニコチンを摂取しないと禁断症状としてのイライラ感などの症状が現れるからです.

 

さて,喫煙によって血管内皮が傷つくことにより動脈硬化が起こることは先に述べたとおりですが,喫煙により血管内皮のみならず,顔貌にも変化が表れます.特に女性の場合には30歳以降での顔の皮膚の劣化が著しくなり,年齢相応以上にいわゆる「老け顔」になります.写真はネットからお借りした非喫煙者(左),喫煙者(右)の顔貌写真ですが,喫煙者の顔貌は非喫煙者と比べて主観ですが10歳程度は老けて見えます.これは喫煙によりタバコに含まれる有毒物質によりビタミンCが破壊されてしまうことにより,お肌の針を維持するために必要なコラーゲンの生成を促すことが出来なくなるからです.その結果,写真のうような顔面の皺が深く,どす黒い肌の色に変化し見るからに年老いた不健康そうな顔貌になるのです.特に口周りのしわ,目尻のしわはドラマやTVでの女優さんの老け顔メイクでは定番ですよね.これに加え歯の着色,歯茎の結構不全とそれに伴う歯周病と口臭は自分の周りから人を遠ざける原因にもなります.

 

現在流通しているタバコの殆どは,その風味を調整するために,糖分や香料などさまざまな添加物を追加しています.したがって,自然に生えているタバコの葉だけを燃やして出てくる煙を吸っているのではないということです.現在のタバコに発ガン性やその他さまざまな病気を引き起こす原因が隠されているのは,これらのあと付け添加物のせいだと行っても過言ではないでしょう.特に甘ったるい香りが特徴の銘柄もありますが,殆どのタバコには糖分が足してあるので,甘みを感じ,これが禁煙出来ない原因にもなっています.さらに,持続的な喫煙により,食事以外にも糖分を補給することになるため,糖尿病の原因にもなっているのです.ヘビースモーカーであればあるほど,糖尿病発症のリスクが高まるわけです.

 

喫煙により喫煙者野体が破壊されるのは自業自得とも言えるのですが,問題はその周囲の人々に対する被害です.これを間接喫煙あるいは二次喫煙といいます.タバコには5000種類の有毒物質が含まれますが,喫煙者はこの500種類の有毒物質を含む煙をフィルターを通して吸うため,有毒物質は3000種類まで減少するのに対して,副流煙には5000種類の有毒部室が含まれたままなのです.これは喫煙する人の周囲の人々に対して,無意識のうちに健康被害を与えることになります.もし,最愛の家族が周りにいれば,一番守りたい大事な人々の健康を奪う暴挙に出ていることになります.したがって,喫煙は一刻も早くやめるべきですし,少なくとも公共の場や家庭内での喫煙は控えるべきなのです.

 

画像引用元:http://imgcc.naver.jp/kaze/mission/USER/20140429/40/4193340/4/493x335x92cb325bfcf2eaa2add0c402.jpg

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コメント: 1
  • #1

    昼間機械店 (水曜日, 16 8月 2017 21:47)

    先生がご健勝であることを嬉しく思います。

    これからも無理せず頑張ってください。まぁ無理だと思わないんだろうが(笑)