塩素臭い水道水

夏場に限らず,普段使用している水道水ですが,どことなくカルキ臭いのは,殆どの人が感じていることと思います.日本の水道水の塩素濃度は0.1ppm以上と水道法で決められています.0.1ppm以上であって,上限は設定されていないのです.日本以外の先進国では上限が決められていて,

ドイツ        0.05ppm   

フランス    0.1ppm

イギリス    塩素が検出されないこと

アメリカ    0.5ppm

となっています.

 

 

 

 

 

そもそもなぜ水道水に塩素が入っているのでしょうか?現在日本で水道水の水源として一般河川を使用しているためで,現在の都市部を流れる一般河川の水にはさまざまなばい菌や有毒物質,汚染物質が混入していると考えられるためです.欧米では緩速濾過という方法で時間をかけて微生物処理による水質浄化がなされているのですが,日本では緩速濾過ではなく,急速濾過すなわち塩素添加による水質浄化法をとっているのです.しかもその塩素の残留上限値を設定していないがために,地域によって塩素濃度は全く異なります.場所によっては5ppmに達する塩素濃度の水道水を飲用や生活に使用していることもあるのです.

 

塩素ガスは猛毒と言われ,実際に2900mg(約3g)/立方メートルで人間は即死します.何故かと言うと塩素は強力な酸化物質であり,高濃度の塩素ガスにより気道粘膜や肺が損傷し,激しい炎症を起こし呼吸不全を起こしてしまうからです.確かに致死量の塩素ガスを吸えば,瞬時に呼吸障害を起こしてしまうのは素人感覚的にも容易に理解できることですが,水道水に含まれる塩素がどの程度わたしたちの身体に悪影響を及ぼしているのか,あまりピントは来ませんね.ただ,塩素は非常に不安定な物質なので,冷たい水道水でも,あるいはお風呂やシャワーなどのお湯から発生する蒸気でも,これらは簡単にわたしたちの肺や消化器を通して体内に入り込みます.体内に入るというのはすぐにわたしたちの血液中を駆け巡ることを意味します.強力な酸化作用を持つ塩素は特に動脈の内皮に傷をつけます.傷が着いた血管内皮には血液中の血小板が凝集といって,傷を覆い隠し壊れた内皮を修復しようとします.

 

塩素は少量でも強力な酸化作用を有しているので,注意が必要です.特にお風呂やシャワーなど熱いお湯からから発生する蒸気には活性化した塩素が含まれますから,これが直に皮膚を攻撃し,ハイカラは塩素ガスとして吸い込まれわれわれの体内に取り込まれ,血液中を駆け巡り体中の組織に攻撃を加える事になります.もちろん水道水に含まれる塩素濃度は「直ちに健康被害はない」濃度ですから,すぐにどうこうなるものではありませんが,塩素に対して無防備でいることにより,知らぬ間に動脈硬化の原因やお肌の劣化(荒れ,皮膚炎など)の原因を取り込むことになります.

 

 

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コメント: 1
  • #1

    Dhamma Ace Yamashita (日曜日, 27 8月 2017 01:40)

    日本の水道水に含まれる次亜塩素酸ナトリウムは約1ppmです。